涙に濡れる珠玉のロマンス映画『ただ君だけ』ソ・ジソブの愛する女性を選ぶ基準は?「嫌いなことが似ている人がいい」

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※過去のインタビュー記事をウェブで公開しています

 インタビューの中盤、ソ・ジソブは自分の演技生活が現在「枯渇状態だ」と言った。キャラクターを表現するために内面を〈しぼり出す〉ような演技は切なくて真心が伝わってくるが、俳優にとってはそれだけに消耗するはずだ。ソ・ジソブもやはりその点を心配していた。

──これまでの作品では、いわゆるかっこいい役を演じてきました。そんなことから「ソ・ジソブはたぶんお腹の出た落ちこぼれの役はできないはず」という指摘がありますが?

「僕の限界点かもしれません。だから今が大事な時期だと思います。これまでの僕を振り返ってみると、人が見つめるソ・ジソブの姿だけがありました。『僕は誰だ? 僕は何だ?』と人の視線に合わせようとする自分に気がつきました。そのせいか少し前までつらい時期だったんです。肩の荷をもっと下ろさなくちゃいけません。あまり自分を枠にはめないようにしています。〈韓流スター〉という言葉よりも僕は〈俳優ソ・ジソブ〉のほうがいいです」

──ソ・ジソブさんもきちんと休む方法を考えることが必要だと思いますが、以前からやっていた写真や音楽のように、自分を違う方向に押し出す活動はいかがですか?

「正解などはなく、マインドの問題だと思います。自分が幸せだと感じてこそ本当に幸せなのに、それも最近はつらいです。つらいと思っているのがまわりの人に伝わるのもいやです。写真も好きでしたが、仕事になると負担になりました。これからは好きなことを言わないつもりです(笑)。スターになるということは、ありがたくていいことですが、それだけに受ける負担もあります。感謝していますし、好きだからやっています。負担になってつらかったらやりません。一度決めたら後ろは振り向かずに進むタイプです」

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──人間関係を密にするのはどうですか? 恋愛もいいですし。そんなことで内面を満たせるのではありませんか?

「独身なら恋愛はいつでもしたいものです。幸いこの作品で切ない愛を経験したら、少しはマシになったようです。実生活でも狂ったように切ない恋愛をしたいと考えていました。映画で表現したかったんですが、うまく表現できたと思います。人とのコミュニケーションですか? ひとりでいるのが絶対的に好きなタイプなんです」

──それなら恋愛はどうやってするんですか?

「恋愛は少し違うと思います。愛する人といれば、僕にできることを最大限やってあげますが、制限されることもたくさんあるじゃないですか、それだけに。昔はひとりでいながら壁に向かって話しかけたりしていました。これって段階があるんですが、最初はテレビをつけっぱなしにする、その次が壁を見て会話する(笑)。考えることすらしない時間、ぼーっとしていることが好きです。それで僕は満たされるみたいです」

──恋愛の話が出ましたが、ドラマ「ロードナンバーワン」のイ・ジャンウと『ただ君だけ』のチョルミンでは、ソ・ジソブさんはどちらのタイプに近いですか? 以前のインタビューで「嫌いなことが同じ人が好き」と話していましたが、具体的に嫌いなものとは?

「イ・ジャンウとチョルミンは、ひとりの女性を愛するということでは似ています。僕もやはりそういうタイプだと思います。僕はいろんな人を愛することはできませんし、嘘をつくのが本当に嫌い。どんなことが具体的に嫌いかどうかは、そのときになってわかるでしょう。お互いの好きなことにはタッチしなくてもかまいませんが、嫌いなことを合わせるのは難しいと思います」

 ソ・ジソブは今の自分を自ら診断するに、「演技のスランプだ」と言う。現場でつらくなったりもすると話す。その一方で「いい作品に対する欲がある」と話す彼からは立派な俳優としての姿勢が感じられる。「演技を一生やりたくはない」と言いながらも「ずっと続けられそうだ」と話すあたり、もはや彼にとって演技は仕事ではなくまた違う愛なのだ。

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Text by Mo Shin Jung ©internethankookilbo, Lee Sun Pil ©OhmyNews
Photograph ©internethankookilbo, ©OhmyNews, ©2011 SHOWBOX / MEDIAPLEX AND HB ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED
HOT CHILI PAPER Vol.71(2012 JULY)より

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※記事内の発言や情報は発刊当時のものです

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