いまや中国でもCMキング! 俳優キム・スヒョンをトップスターに押し上げた「太陽を抱く月」僕は主人公のように8年も女性を待てない

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──キム・スヒョンさんは、24歳。王の複雑な気持ちを理解し、演じるのは簡単ではなかったのでは?

「うーん……。(日本語で)とっても難しかったです。撮影が始まる前は、正直とても臆病になっていました。怖かったです。時代劇初挑戦にして、しかも王の役。僕自身にとって、俳優としてとても大切な時期だと思っていたので、すごく心配しました。演じながらも、自分が持っているエネルギーの限界にぶつかったとも感じました。王として命令をしたり、重臣たちと政治的、心理的に闘ったりするシーンを演じるには、まだまだ未熟だと。自分なりに一生懸命演じていたことがうまくいかず……。これまではカメラの前で演技をしながら恐れを感じることはなかったのですが、今回は怖いと思ったほど。でも、こんな言葉を聞いたことがあるんです。『人間は何かをやるときひるんでしまっても、それをやりとげればその人は勇敢なのだ』。だから意地になって挑戦しました」

──フォンを演じるにあたり、参考にしたものはありますか?

「『三国志』の曹操を主人公にした漫画があって、その曹操がフォンにとても似ていたので、それを参考にしました。その漫画は、何年か前に読んでいたのですが、役作りをしながら、ふと思い出して、読み直しました。曹操とフォンは、共通点がすごく多いんですよ。とても賢明で、荒々しく、人を利用する術を知っている。そして、曹操は野望を持っているのに対し、フォンは愛情を持っている。『三国志』のキャラクターのなかで僕は曹操が一番好きなんです」

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──「クリスマスに雪は降るの?」(09年)、「ジャイアント」(10年)には子役として出演しましたが、今回はヨ・ジングさん演じる幼少時代が大好評となったあと、バトンタッチしての成人役でした。

「しっかり受け継がなければ、というプレッシャーが大きかったです。ジングくんは、非常にエネルギーにあふれた子役なので。でも、今はむしろ、出だしからジングくんに助けられたので、ありがたく思っています。彼がいたから、僕も一生懸命できたなって。ジングくんの演技を見ていたので、僕の演技も完成度が高いものになりました。子供時代と成人時代のシナジー効果を生み出すことができました」

──孤独なフォンが唯一心を開く、子供時代からの側近の尚膳内官ヒョンソンとのコミカルなシーンも印象的でした。脇を固めたのも個性的な顔ぶれでしたね。

「尚膳内官ヒョンソン役のチョン・ウンピョ先輩には、僕がいつも命令をしなければならず、ときには怒鳴ったりもしなければならないのですが、いつも先輩はすべて受けとめてくれました。とてもやさしく。先輩方がリードしてくれたおかげで、僕はフォンになることができました」

──一番難しかったシーンは?

「(突然、苦しそうな顔になり)うっ!というシーン(笑)」

──……今のは、何の場面ですか?

「ははは、呪いをかけられるシーンです」

──……なるほど。では、一番心に残っているシーンは?

「フォンが、ウォルが実はヨヌだったということを知る場面です。僕は涙を流し、スタッフまでもが泣いていた。僕はこの作品で初めて、俳優個人ではなく、俳優の結束力がスタッフを引っ張っていけるということを感じました。すばらしい経験ができたと思っています。この作品で、いい友達もできました。ドラマの画面からも現場の雰囲気が伝ればいいな、と思います」

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Text by Kuwahata Yuka
Photograph by Kawashima Yuko
HOT CHILI PAPER Vol.72(2012 SEP.)より

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