ラブコメ「Oh my Venus」主演中♪ ソ・ジソブ in 映画『ある会社員』非情な必殺仕事人が愛の涙を知ったとき。本人が考えた名台詞

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※過去のインタビュー記事をウェブで公開しています

 ヒョンドはある日、同じ会社の新人社員フンを殺すよう命じられる。負傷したフンに「貯金していた財産を家族に渡してほしい」と頼まれ、フンの家族のもとを訪れたヒョンドは、フンの母ミヨンが、自分が青春時代に憧れていた歌手だったと知る。ミヨンと出会い、ヒョンドは徐々に普通の暮らしを夢見るように。そして、ついに会社の命令に背くようになるのだった。

──ソ・ジソブさんも、ヒョンドのように仕事を辞めたいと思ったことはありますか?

「いつも思っていますよ。俳優として演技をしていますが、自分が思ったようにできないときは、逃げ出したくなります。自分のなかが満たされてこそ演技に反映することができるのですが、そうでないときもあるのです」

──ヒョンドの20歳の頃の夢は歌手でしたが、ソ・ジソブさんの20歳の頃の夢は何でしたか。

「20歳の頃は『きっと水泳関係の仕事をするんだろうな』と思っていました。11年ぐらい水泳をやっていて、当時の友達はみな体育の先生や水泳のコーチになっています。僕もきっと同じ道を歩んでいたと思います」

──最近はライブ活動もしていますね。

「好きでやっているんです。ファンのみなさんに自分が好きな歌を届けたいと思っていて、今後も続けていきたいと思っています。ところで……昨日のコンサートはご覧になりましたか?」

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 映画の役作りについて真摯に語っていたソ・ジソブがちょっと心配そうな表情になったのは、インタビュー前日のファンミーティングに話題が及んだときだった。2月2日、東京国際フォーラムで彼が歌ったのは、ちょっと大人な雰囲気のヒップポップ。ソ・ジソブと音楽といえば、06年に横浜で開いたファンミーティングで、ドラマ「ごめん、愛してる」のエンディングテーマ「雪の華」を歌っていたのが記憶に残る。ヒップポップのステージで踊るソ・ジソブは、緊張して汗をかいていた7年前の姿からは想像できないほど弾けていた。

「コンサートは緊張しましたよ(笑)。韓国の俳優がヒップポップをするのは初めてですか? 僕は、歌はうまくないのですが(笑)、ヒップポップは前から好きでした。長い間、俳優として仕事をしてきて、与えられたセリフを演じてきましたが、音楽は歌を通して言いたいことを表現できるのが魅力です。ただ、歌を仕事にするのではなく、あくまで自分が楽しめる範囲でやっていきたいと思います」

──趣味といえば、ソ・ジソブさんは写真が好きなことでも知られています。最近、写真は撮っていますか?

「撮っていません。好きでやっていたのですが、まわりの人にうまいと思われたのか、写真集などの仕事の依頼を受けるようになりました。それがだんだん怖くなってきて、やめてしまったんです。趣味がひとつ奪われてしまいましたよ(笑)」

『ある会社員』のなかでヒョンドは課長や部長という肩書きで呼ばれるが、ソ・ジソブ自身も実生活で「社長」と呼ばれることがあるという。ソウルの狎鴎亭にあるカフェ「A TWOSOME PLACE 51K」のプロデュースを手がけているためだ。

「『社長』と言われて最初はぎこちなかったけれど、場所によって合った呼び方があると思うので、今は自然に受け入れられるようになりました」と話す。今回のインタビューで彼に変化と余裕が感じられるのは、俳優業としてのキャリアの充実に加え、ヒップポップやカフェの経営など、自分自身を満たす居心地のよい場所をいくつも見つけたためかもしれない。そんな彼の生き方は、「心に残ったセリフ」としてあげたひと言にも象徴されているように思えた。

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「『ある会社員』の最後のほうに、監督に頼んで入れてもらったセリフがあります。ヒョンドがフンに向かって言う言葉です。『幸せに誰かを愛しながら生きろ』と。これは自分自身にも言いたかったし、映画を観る人たちにも投げかけたかったセリフです。仕事を一生懸命やっていても、そこに幸せを感じている人はあまりいないと思うから。『本当に、幸せに生きていますか』と、映画を通じてたずねてみたかったのです」

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Text by Kuwahata Yuka
Photograph by Kimura Naoki, Ohta Tetsuo
HOT CHILI PAPER Vol.75(2013 JUNE)より

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※記事内の発言や情報は発刊当時のものです

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