役者の道を切り拓いた皇太子役。チュ・ジフンが振り返る人生のターニングポイント。やっぱりそれは「宮~Love in Palace」だった!

(2ページ目/全4ページ)

※過去のインタビュー記事をウェブで公開しています

 11年11月に除隊し、3年ぶりの現場復帰となった『私は王である!』。チャン・ギュソン監督は韓国で映画が公開された直後、インタビューでチュ・ジフンについてこう話した。「チュ・ジフンという『俳優』は、体を惜しまない。チュ・ジフンという『人間』は、これ以上ないほど素直な人」と。続けて「多くの人がチュ・ジフンという俳優を否定的に見ていることを知っている。それにもかかわらず、『チュ・ジフンだからキャスティングした』という理由も明らかにある」と話した。

──世間知らずで小心なチュンニョンは、さまざまな経験を経て、一国の主にふさわしい人物に成長していきます。これまでの人生で、ジフンさんにも似たような経験はありますか?

「30歳になったときは、数字も変わるので大人になった気分でしたが、今32歳になって、当時を振り返ってみると子供なんですよ。何かに悩んだりすると、ふとそんなことを考えたりして面白く感じます。『今日こうして悩んでいる自分も、34歳になって思い出したら子供みたいに見えるのかな。それだったら悩むのなんてやめようかな』って。悩んでも答えが出そうにないし、無駄な時間に思えてきて、結局はお酒を飲んで酔っぱらっちゃいます(笑)」

──チュンニョンはまさに人生のターニングポイントを迎えますが、ご自身にとってのターニングポイントは?

「いろいろありました。仕事でも、恋愛でも、家庭でも。そのすべてを話すには500ページぐらい必要になりそうですが、すべて聞く勇気はありますか?(笑)でも、すべてを話すのは難しいですね。仕事のこと、家庭の事情から、軍隊のこと、恋愛問題……」

──仕事のターニングポイントにしましょうか?

「それはやっぱり『宮』ですね。『宮』ですべてが始まったし、ここにこうして座っていられるのも『宮』があったから。みなさんがもっとも覚えてくださっているのも『宮』。でも私はすべて忘れてしまいました。記憶が残っていません(笑)」

HCP75_001-011_JJH5

──初の一人二役でしたが、キャラクターを行き来することはスムーズにできましたか?

「衣装にかなり助けられました。例えば、ジャケットにシャツという格好からラフなスウェットに着替えると、人はそれだけで歩き方が変わります。韓国には除隊して一般社会に戻っても『予備軍』という服務がありますが、そこではどんなに立派な弁護士でもみんな同じ。ぐったりやる気のない姿になってしまいます。人間は知らず知らずのうちに身につけるものに影響されるようです。コーヒーひとつにしても大手チェーン店で飲むのと、ホテルのラウンジで飲むのとでは気分も違うし、姿勢も変わりますからね。だから撮影中は小物や環境に神経をつかいましたが、かえって難しいこともありました。ドクチルはもとは奴隷で、チュンニョンに入れ替わるじゃないですか。奴隷が王子の衣装を着ているだけなのに、衣装に影響されて自分でも気がつかないうちに上品に歩いてしまったり、そこらへんが大変でした」

──大先輩のペク・ユンシクさんやピョン・ヒボンさんとの共演はいかがでしたか? キム・スロさんやイム・ウォンヒさんとの息もぴったりでしたね。

「すべてを学ぼうという姿勢で現場に向かいました。なぜ先輩たちが尊敬に値するのかというと、今の私たちがどれだけ文句を言っても、昔とくらべたら撮影現場の環境はすこぶる改善されました。それはほかでもない先輩たちのおかげ。韓流だって、ペ・ヨンジュン兄さんのような存在がいてくれたおかげで、あとに続く私たちはずいぶんと楽になりました。人は誰だってみんな人見知り。テレビでよく俳優が自分のことを人見知りだと話しますが、逆に人見知りじゃない人なんてどこにいるんでしょうか? 自分が後輩で、先輩が人見知りなら、自分から先に挨拶すればいい。これができないと現場の雰囲気がおかしくなり、学ぶどころか文句を言われてしまいます。先輩からは怒られるときもあったし、ほめてもらうときもあって、楽しかったです。権力をかさにきて偉そうにふるまう人だったら、正直つらかったでしょうね。いくらなんでも人間ですから、やっぱり気楽なほうがいいです。現場のムードメーカーはキム・スロ兄さん。イム・ウォンヒ兄さんはあまり口数の多い人ではありませんが、たまにしゃべると全部がギャグ! 楽しい現場でした」

(2ページ目/全4ページ)
1 2 3 4
Text by Kawamura Sachie
Photograph by Joo Sung Young
HOT CHILI PAPER Vol.75(2013 JUNE)より

※過去のインタビュー記事をウェブで公開しています
※記事内の発言や情報は発刊当時のものです

誌面ギャラリー

人気の記事